Webコンサルタントって?仕事内容や必須スキル、なり方など解説

投稿者プロフィール

栃本常善
栃本常善代表取締役/マーケター
株式会社マーケティング・エッセンシャルズ代表取締役/Web集客に強いマーケター/ これまで累計90業種以上のビジネスに関与。中小企業・ローカルビジネスのためのWebマーケティングをワンストップで支援する/自身でセミナールームや整体院、zoom配信サポートなどの事業を経営。著書に「ローカルビジネスのためのWebマーケティングが基礎から学べる本」(つた書房)がある。SEO/MEO対策、優良顧客を集めるためのメディアミックス、Webマーケティング戦略にめっぽう強い。

コロナ禍でより一層Webマーケティング、デジタルマーケティングの需要が急増しており、ますます中小企業・ローカルビジネスのウェブ活用の支援ができるWebコンサルタントの需要が高まっています。

Webコンサルタントって興味はあるけれども、実際はどんな仕事をするのか、どんなスキルが求められるのか?どうしたらなれるのか、持っておくと有利になる資格などはあるの?といった疑問を持たれる方も多いでしょう。

今回の記事ではそうした疑問を解消するべく、Webコンサルタント歴10年のプロががWebコンサルタントの仕事や求められる能力、なり方などをわかりやすく解説いたします!

 

Webコンサルタントって何をする仕事なの?】

Webコンサルタントの仕事はクライアントワークがメインとなり「Webサイト上の取り組みを通してクライアントのWebマーケティングにおける収益、ビジネス成長を支援すること」が主な仕事となります。実際に実施することはクライアントの要望や現状によって様々であり、その内容は多岐にわたりますが、一般的には以下の3つのケースが考えられます。


Webサイト制作におけるコンサルティング〉

Webコンサルタントの大事な仕事のひとつが「Webサイト制作におけるコンサルティング」です。成果を上げるWebサイトを作るために大切になるのは、クライアント企業が持っている強みを明確にすることです。

大半の中小企業が、自社の強みを明確に言語化できていません。特徴まではある程度把握できていますが、それをターゲット顧客に明確に伝わるレベルまで落とし込みができていないのです。強みとは、顧客が魅力的に感じるレベルになっていなければ、それは本当の強みとは言えません。

フレームワーク

 


強みを明確にするためには、さまざまなマーケティングのフレームワークを使った戦略的な分析やリサーチも行っていきます。例えば、STP理論や3C分析などを駆使したリサーチを行うことが多いです。これらのフレームワークを使い、その会社の市場におけるポジション(立ち位置)、そして競合やターゲット顧客、自社の特徴などを分析し、戦略立案をしていきます。

また、制作進行をしていくために、Webディレクターやライター、Webデザイナー、システムエンジニアなどとも協力しながらクライアントの要望に応えつつ、成果が出るWebサイト作りのための、基本コンセプトを固めていきます。実は、成果が出るWebサイトを作るためには、Webコンサルタントの役割は非常に重要です。

USP=ユニークセリングプロポジション=独自の強み(ウリ)の提案。

*ランディングページ=検索エンジンやSNSなどを経由して訪問者が最初に到達するページのこと。

 

〈Webサイトにアクセスを集めるための施策の提案〉

制作したWebサイトはそのままにするのではなく、ターゲットなるユーザーがより多く流入するように対策を行い、改善していくことも大事な仕事です。

SEO対策

 


具体的な仕事は、SEO対策/MEO対策、ソーシャルメディアの活用、Google/Yahoo!といった検索広告、ディスプレイ広告、SNS広告など各種広告媒体を駆使することです。ターゲット顧客にアプローチするには、どのような方法が効果的かをクライアント企業の予算に合わせた最適な施策を提案していきます。

そのためには、あらゆる方法についての最低限の知識や各種媒体の特性を理解する必要があります。これらは、様々な書籍や講座などもあるため、それらで最低限の知識はまず身につけておく必要があります。あとは、実際にクライアント案件を数多くこなす中で経験値、ケーススタディを自分の中で積み上げていくことによりその精度はどんどん高まっていくことでしょう。

*SEO対策=検索エンジン最適化。

〈コンバージョン率を高めるためのWebサイトの運用〉

この段階で必要なことはコンバージョン率の向上、改善です。まず色々な角度からWebサイトを分析して改善点を洗い出し、適切な施策を考え実行していくことです。

分析

 


ここで大切なのはKPIを設定してKPIの数値を改善するよう意識することです。またLPOEFOもコンバージョン改善のためには必要な施策となります。

*コンバージョン=サイトを訪問した人による販売や問い合わせ

KPI=重要業績評価指標=目標達成に必要なプロセスの達成度合いを示す定量的な指標のこと

LPO=ランディングページ最適化=ランディングページをより良く改善すること

EFO=エントリーフォーム最適化=入力フォームをユーザーにとって使いやすいように改善すること

 

Webコンサルタントに必要なスキルとは?】

① コミュニケーション能力

Webコンサルタントに求められる能力として、高いコミュニケ-ション能力があります。Webコンサルタントは人と関わりながら業務を遂行していく職業です。クライアントの要望をヒアリングする能力はもちろん、こちらの施策を顧客に理解してもらうための提案力も必要となってきます。Webデザイナーやプログラマーなどと共同で仕事を行う機会もあるため、コミュニケーション能力は必須となります。

 

② 論理的思考力

良い施策を考えて実行する前の段階で必要となるのが、論理的思考力です。数字がはっきりと出るWebの世界で、「なぜこのような問題が起きるのか」「どうやって解決したら良いか」といったことを分析するために論理的思考力は必須の能力となります。

 

③ ビジネスセンス

Webコンサルタントには商売のセンスも求められます。Webコンサルタントは顧客の収益力を上げる仕事であるため、商売に関わった経験のない人ができる仕事ではありません。自分で商売に関わってうまくいった経験のある人なら、困った時にはこうしたらいいといったカンも鋭いです。こうした経営のセンスはWebに関する知識を勉強するだけでは賄えない能力であると言えます。

 

④ 情報をアップデートする能力

トレンドの変化や技術革新の著しいWeb業界で必須の能力となるのが、情報をアップデートする能力です。情報のデジタル化が進む今、ちょっと前には有力だった情報がすぐに古くなってしまうという状況にもなっています。そのため、世間では今何が流行っているのか、どんなアプリが人気なのかといった最新情報を常に仕入れるような姿勢が大切になってくると言えます。

 

【Webコンサルタントという仕事の将来性は?】

以前からデジタル化は時代の大きな潮流でしたが、コロナ禍により、その流れはさらに大きく、速くなっています。あらゆる業界においてデジタル化が急務であると認識され、今では国が自らジタル化・DXの旗振り役となり、数多くの補助金や助成金が提供されています。

多くの大手企業は、すでに自前でWebコンサルタントをはじめとしたWebの専門家を抱えてデジタル化・DXに向けた取り組みを進めています。しかし、中小企業は専門の人材を自社で雇うほどの余裕がないことが多く、まだまだ人材の確保ができていないのが現状です。

一方で、デジタル・ITツールはどんどん増え続けています。使いこなせれば便利なものですが、中小企業にはそれらに対応できる人材がおらず、自社に必要なツールの存在自体を知らないままだったり、情報をアップデートできずにいたりします。ですから、中小企業のデジタル化を支援するコンサルタント等の外部人材の需要は高く、今後はさらに必要不可欠な存在として求められていくことでしょう。

実際に、求人サイト「Indeed」でのWeb関連人材の求人状況を見てみると、2021年8月現在でWebデザイナーが約4,300件、Webマーケターが約1,700件の一方、Webコンサルタントは約45,000件であり、圧倒的に求められている職種であることが分かります。こうしたデータからも、世に数多ある仕事の中においても、さらにWeb系の職種の中でも、Webコンサルタントの将来性は非常に高いといえるでしょう。

【Webコンサルタントの気になる収入は?】

デジタル市場の拡大によってWebの専門家の需要が高まる中、特にWebとマーケティング両方のスキルを持った人材、すなわちWebコンサルタントの価値は今後さらに高まっていきます。しかし、現状では圧倒的に人材が不足しているため、弁護士や税理士などといった士業よりも高額の顧問契約を獲得することも可能です。

実際に、弁護士や税理士、社労士の顧問契約の相場は月額3〜5万円ですが、Webコンサルタントの顧問契約料は月額5〜20万円です。国家資格が必要な士業と比較しても遜色ない、もしくはそれ以上の報酬を得ることができます。

また、単発の仕事が多く収入が不安定になりがちなWebデザイナーやWebライターと異なり、Webコンサルタントは顧問契約という形で毎月一定の売上が見込めるのも大きなポイントです。すでにフリーランスや個人事業主としてWeb系の仕事をしている方や、これから独立を考えている方は、Webコンサルタントとしてのスキルを身につけることにより、収入アップ・収入の安定を図ることができるでしょう。

【Webコンサルタントになる方法】

Webコンサルタントになるには、大きく言って以下の2つの方法があります。

・企業に勤めた後独立する

・フリーランスのWebコンサルタントを名乗る

 

企業に勤める場合はコンサルティング会社に入社し、Webサイトの制作実績やWebコンサルティングの経験を積み重ねていくのが一般的です。

フリーランスの場合は自分でWebコンサルタントを名乗り、ゼロからWebサイトを作って運営し、一発当てるといった方法があります。Webコンサルタントは実績がものを言う職業ですので、資格よりも経験がものを言う仕事ということが言えます。

 

Webコンサルタントが持っておくべき資格はある?】

Webコンサルタントの仕事をする上でこの資格がなければできないといった資格は特にありません。ただしWebコンサルタントの仕事にはWebに関する膨大な知識が必要となるため、取得しておくと役に立つと思われる資格は存在するのでいくつか以下にご紹介しておきます。

 

・Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)

・Googleアドワーズ認定資格

・ウェブ解析士

 

これらの資格を持っているからといってWebコンサルタントの仕事ができるとは限らないという点にご注意ください。

Webコンサルタントに必要なのはWebの知識よりも経営に関する知識やセンスだったりするので、資格を取る事よりもすでに説明したWebコンサルタントに必要なスキルを身に着けるよう努力しましょう。

 

【まとめ】

Webコンサルタントという仕事は幅広い知識や経営のセンスが求められる難しい仕事ではありますが、やりがいも将来性も十分ある仕事です。

企業の売上に直接影響を与えて貢献でき、自分のやったことが数字となってはっきり現れるのでその人個人の力量がものを言います。Webコンサルタントとして独立するのにこれといった資格も必要ありませんので、本記事を読んで興味を持たれた方は是非チャレンジしてみて下さいね!


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