SEO対策 マーケティング全般

検索結果で上位表示しているのに、なぜクリック率が下がってしまうのですか?

Q.Google検索で上位表示しているのに、クリック率が下がってしまうのはなぜですか?

A.SEOで上位表示されても、検索結果の表示項目数増加により、実際は下位に表示されてしまう現象が起こっているからです。

ほぼ毎日、自社やクライアントのWebサイトのサーチコンソールデータを見ていますが、最近の傾向として、以前よりもランキングは上がっているのにクリック率が下がってしまう現象が起きています。

「CTR(クリック率を意味する指標)」は、「ユーザーが何%の確率で検索結果に対してそのサイトをクリックしているか」を表す数字で、一般的に上位に上がれば上がるほどクリック率は高くなります。

確かにユーザーの思考として、検索して1番目や2番目に出てくるサイトをクリックする確率が高いと考えられます。目当ての検索結果が出てこない場合は、下の方にあるサイトも見ようとすることもありますが、全体的には上位に上がっているサイトほどクリックされるという傾向があります。

それではなぜ、上位に表示されるのにクリック率が下がってしまうという現象が起こっているのか?

まずは検索結果を想像してみてください。

何かキーワードを入れて検索すると、検索結果に「スポンサー」という形で、多い時で4サイト(稀に広告枠がない場合もあります)広告枠が表示されます。さらに地域名の検索が入っていると、その下にGoogleMapの表記が最大で3つ表示され、場合によっては右側に「ナレッジパネル」という目立つ表記で用語の解説が出てくる事があります。そして、ようやく先程のMap検索の下に、SEOといわれる自然検索結果で表示されたサイトが表示されます。

Map検索の上に出てくる場合もあれば、下に出てくる場合もあるため、仮にSEO対策をしてオーガニック検索で1位になったとしても、純粋に検索結果で1位になっているかというと、そうとは限りません。

さらに、こんな現象も起こっています。

「マーケティング 仕事」と検索した際に、「スポンサー」広告枠が始めに表示され、その下に「リクナビ」が表示されました。このサイトはオーガニックの検索結果のため、SEOで1位を取っている状態です。

その下には「関連する質問」という項目が表示され、「マーケティングの仕事とはどんな仕事ですか?」「マーケティングの具体的な仕事内容は何ですか?」といったように、「マーケティング 仕事」で検索している人が知りたい質問を、あらかじめGoogleが表記する項目が表示されました。この項目が4つ表示された後に、やっとSEOで2番目のサイトが表示されました。その後SEOで3番目と4番目のサイトも表示されましたが、次に表示されたのは5番目のサイトではなく、画像の検索結果が出てきました。

このような検索結果であった場合、4位と5位のサイトを比較したとき、恐らくクリック率が大きく変わってしまう可能性が高いです。1位と2位でも同様です。

さらに、SEO1位のサイトの下に表示された「関連する質問」で、最初は4つ出ていた項目が、1つ開くと6個、また他の質問を開くと9個に増えるといったように、1回クリックするたびに追加で3~4つ項目が増える仕組みになっています。これを続けると、SEOで2番目だったサイトが下の方に表示されていってしまいます。

現在はこのような表示になっていますが、今後はChatGPTに対抗する「Bard」というGoogleのAIサービスが、検索結果の上位に表示されるのではないかと言われています。一部の国では実装され、「AIの回答」という項目が一番上に出てくるそうです。これが当たり前の状態になると、オーガニック検索のSEO対策をしたとしても、クリック率が非常に落ちてしまうという現象はますます増えると思います。

地域のお店や会社を探すための検索に関してはそこまで影響はないと感じますが、情報検索をするようなキーワードに関しては軒並みクリック率が下がる可能性が考えられるので、今後こういった状況を踏まえた対策を考えていく必要があると思います。

今後はますます「1位が取れるキーワード」を戦略的に狙ったSEO対策をしていく必要があったり、SEOだけではなく横断的なWebマーケティングが重要になってくると思います。特にWebマーケティングの中でのSNSのウェイトが非常に高まってきており、YouTube、Instagram、X、最近ではThreadsも出てきましたので、横断的なWeb戦略を考えていく必要があります。そして、Googleの検索結果はどんどん変化していくため、指名検索をさせていかにコンバージョンを取っていくかという戦略を真剣に考えていかなければなりません。

本当の意味で1位を取れないと、極端にクリック率が下がってしまうという現象が起こってしまい、1位と2位・4位と5位の格差、そして1位と5位ではクリック率の差が極端に出てしまう可能性があります。

特にコンテンツマーケティングに力を入れている方は、より1位を狙っていくことに本気で取り組む必要があると思います。

今後は、指名検索をいかに取っていくか?そしてSEO以外の施策にも注力して、横断的なWebマーケティングに取り組む必要があるという事を少しでも理解して頂き、今後のWeb戦略を考えて頂けると幸いです。

こちらの相談事例は、YouTubeでもご覧いただけます。